ちょっと暗い写真ですが、オックスフォード大学のとあるカレッジの食堂です。
「オックスフォード大学」と呼ばれる校舎は実は存在せず、オックスフォード大学の教授/学生と呼ばれる人たちは「カレッジ」というものに所属します。
このカレッジごとに図書館・寮・食堂などいわゆる学校施設を持っていて、学部や学科にあたる組織・施設はカレッジ横串しで別に存在します。
カレッジの食堂で学期中に開催されるのが、「フォーマル」と呼ばれる夕食会です。
普段接しない学生とも食卓を囲むことで、社交性や教養を広げることを目的にした伝統だとか。
長テーブルに自由に着席するため、隣や向かいに初対面の人が座るということも珍しくなく、そんなときも挨拶と自己紹介を交わして話をはじめます。
さて、すっかり前置きが長くなってしまいましたが、「4年間フリーランスとして生き延びられた理由」の第3弾、環境編です。
「フリーランス」という言葉や働き方の認知度が上がってきたとはいえ、まだまだフリーランスを取り巻く環境は甘くはなく、誰でもすんなり受け入れてくれるわけではありません。
フリーランスどころか、法人化している団体の1メンバーとして訪問した先ですら、「株式会社じゃないから信用できない!」ときっぱり言われたこともあります。
体制などの面で法人化した方が信用度が増すというのは確かにそうだと納得しつつ、「フリーランス=信用できない」というのはあまりに短絡過ぎないか?!と思ったことが多々ありました。
「フリーランスって何しているのか分からない」とよく言われるけれど、会社員だって1人1人が何しているのかなんて外からは分からないし、携わっている仕事によっては公にできないこともあるはず。(悪いことをしているという意味ではなく、新規プロジェクトなど機密性の高いことをしているという意味で…)
「会社員」という肩書きに隠れて不正なことをしている人もいるはず。
そんなモヤモヤを抱えた時期もありましたが、 とにかくフリーランスだからこそ信用を失墜させないことに人一倍注力することだけ心に決めて、相手の考えを変えることは望みませんでした。
1人で活動することも多いフリーランスの場合、フリーランス懐疑派の人たちのなかにばかりいると疲れてしまったり、自信をなくしてしまったりと、本業以外で精神的な負担がかかって本業にまで悪影響を及ぼしかねません。
だからこそ、時には「会社」ではなく「個」という単位で共通のテーマに興味を持っている人たちが集まるワークショップ・イベントに参加するなどして、自分が快適だと感じる環境で会話やつながりを持つことも大事だと個人的には考えています。
前回の記事で、 「純粋に自分の学習欲を満たすために参加したワークショップやイベントが、結果として仕事にもつながった」と書きましたが、それも話をした人たちがフリーランスに偏見を持たない柔軟性を兼ね備えてくださっていたからこその結果だと思っています。
まだまだ「会社員>フリーランス」のような考え方も多いなかで、これまで仕事を一緒にさせてもらったクライアントの皆さまには本当に感謝の気持ちばかりです。
仕事をもらえたのは「運」や「縁」のおかげだと思う一方で、この「運」や「縁」が訪れるのをただやみくも待つだけではなく、似たような興味や目標を持つ人が集まる環境に身を置いてきたことも功を奏したのだと思う5年目です。